女ともだち

 30年前、同じアパートで暮らしていた友人たちと2年ぶりにランチ会をした。それぞれの近況報告をすると、一時娘さんの病気のことで悩んでいたDさんが、また再発したということで、苦しんでいるとのことだった。
 無論その話に終止することはなかったが、・・・。

 ああしたらどうか、こうしたら、とついいろいろ提案してしまう私達。しかし、既にどれも試したり、娘さんにブロックされたりしているという。
 母親に甘えたいだけなのか、姉の幸せな結婚に複雑な気持ちが湧き起こるのか。精神が不安定で、自分の苦しみだけが彼女の世界のすべてなのだった。もう死にたいそうだが、・・・。

 おりしも、平成30年7月豪雨と名付けられたこの度の、大雨被害で犠牲者が100人以上となることが報じられた。犠牲となった人々は、恐らく家の下敷きになったり、凄まじい土砂の中で、あるいは濁流に流されて突然に命を奪われてしまったのだろう。
 被災しなかった地にいる私達は、犠牲者に対してご冥福を祈ることしかできない。そして救出を待つ人が、「一刻も早く助けられるように」と祈ることしかできない。
 被災地では家屋敷、車や家財すべてを流されてしまった人々がいる。
 現在電気ガス水道の止まっている被災地の方々、ご家族を亡くされた方々のお悲しみはいかばかりであろうか。流されていく人を助けられなかった人の、悔しさ、切なさはいかばかりであろうか。謹んでお見舞いを申し上げる。

 大都会の立派な家に住み、経済的に恵まれ、祖父母両親からも大切に育てられたであろう、Dさんの娘。あなたがいるだけで、嬉しい家族がいるよ、他人のおばさんも。
 いつか、苦しみの底から浮かび上がって来れる日が来るから、今はそのままでいていいよ、なんの問題もない。生きていこう。我執から解き放たれる日が、きっと来る。待て、そして希望せよ。