Lちゃんのサボテンに花が咲く

 昨年彦根の友人Lが、封筒に入れて細いサボテンに蕾がついたものを、5本送ってくれた。郵便でサボテンを送るとは!
 その大胆さに驚いた。しかも、速達と手書きで書いてあったが郵便局からではなく、自宅から普通料金でポストに投函したらしく、普通より遅れて届いた。Lちゃんは、軽い知的障害者だ。

 届いた翌日、土に挿しておいたら、なんと花が無事に咲き、寒さの一段と厳しかった冬も越してどんどん成長。まるまるした子株が、ぎっしり着いて春になると、つぼみもたくさんついて膨らんできていた・・・。

 そして今日、第一号が10時ころに花開いた。

 調べるとアルゼンチン原産の白檀という名前。彼女たちはちぎられて、封筒に入れられて真っ暗闇の中で2日も3日も過ごしても、生き続け、花咲かせるのだった。はるばる日本にやってきて、あちこちで子孫を増やし続けているのだろう、あっぱれ!

 美しい花を咲かせるのは、サボテン達の戦略なのかも知れない。
栽培されたものの花を多くの人が、魅了され・愛でてお店で買い求める以上に、その花の美しさを友人にも見せてやりたいと、友から友へ株分けされて、命を広げているのではないか。この橙色の花の色は、アルゼンチンの太陽の色かも知れない。