ちょス飯の読書日記
『デンジャラス』 ★★★☆☆
- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/06/07
- メディア: 単行本
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熱烈な恋愛の末に谷崎が結婚した妻が、年々年老いていく。彼女は自分の一切の世話を焼いてくれるのだが・・・。
谷崎が家族を筆一本で養い、わがまま放題に振る舞うのだが、一緒に暮らしている妻の妹の養子の嫁が若々しく、知的でわがまま放題にするのを面白がり、肉体的にはもう彼女を制圧できない。高価なものや、金を惜しみなく与えても、嫁は谷崎の作品に影響は与えるものの、・・・。
今まだ存命の親族がいることを、赤裸々に語ることはできない。これがギリギリの線なのだろうか。
文豪谷崎が、細雪のモデルの一人だとされる妻の妹に、一喝される場面は胸のすく思いだ。彼の作品は、一つも読んでいないが映画化された『鍵』はなかなか官能的で老人の哀しみが描かれていた、奇妙なテーマの作品だった。
谷崎の作品を、読んでみようか。