23日、葉山県立近代美術館で堀文子展を見る

 堀文子白寿記念展。
 chosu-pampaと行く。彼女の「美しいものにだけこうべを垂れる」という言葉どおりの美しいものばかりが描かれた作品だった。お客さんは高齢女性が多かった。平日でも盛況で、駅からのバスは美術館に行く人で超満員だった。

 美しい命たち。草木、山々、鳥たちにミジンコ。アフガン女王の徹子さん。どくだみやペンペン草の可憐さはどうだ!
 そして抽象画もまた、素晴らしかった。恐ろしい魔王の館。

 ただ。彼女が画家としてスタートする前に農業試験場で働き、農作物の害虫の幼虫を、気持ち悪いのをこらえて描いていたのだが、その作品はなかった。さすがに彼女にとっても、芋虫は気味が悪く泣きながら描いたのだそうだ。せいかつしていくために写生したと、あるTV番組で彼女が語っていたので、これも見てみたかった。

 枯れ行くひまわりの花芯には、びっしり次の世代の命「種」が詰まっていて生と死が順繰りに繰り返されていくと彼女の作品集の中に書かれていた。落ち葉の美しさも、命の連環を表していると彼女は感じるという。

 chosu-manmaも、美しさに感動したとき、これを描きたいと思う。衝動は文子女子と同じだ。      自分なりに、描き続けよう。


 葉山へは初めて行き、この美術館が海沿いにあることを知った。
 散歩道が海岸に続いていた。久しぶりに見る海は、穏やかで美しかった。鳶が飛んでいた。chosu-pampaは若い頃、よくオートバイで海沿いを走っていたという。

 昼時に到着したが、レストランは満員で値段も高いので海を見ながら、自販機でコーヒーを買い、一袋のビスケットをふたりで分けて食べてランチとした。

 展覧会の作品集と絵葉書を買って、帰った。ふたりとも腹は減っていたが心は満たされていた。