ちょす飯の読書日記
『使命と魂のリミット』
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/12/06
- メディア: 単行本
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病院を脅迫するという、緊迫の医療推理ドラマ。いつかテレビの二時間ドラマになるだろう。
名医の医療ミスか否か、はたまた故意過失により、患者(ヒロインの父親)が死亡したのか。物語の最後に明かされるが、ヒロインである研修医・氷室夕紀が真面目すぎて、寝不足で一心に働いているのが息苦しかった。
勤務医の働きすぎが問題になっているが、この作品では医師の現場はこういうものだという書き方だったので、マイナス2。リアルな手術の描写で、心臓冠動脈瘤の手術の手順がよくわかった。
やや、犯人の動機が弱い。あるひとりの人を殺したいと考えるなら、このような大掛かりな仕掛けができる、冷徹な頭脳の持ち主なら、無関係な周りの患者を巻き込むことは避けるだろう。
犯罪にハイテク技術を使うということが、主眼だったのだろうか。