ちょス飯の映画評

 『ユージュアル・サスペクツ』  ★☆☆☆☆
  

ユージュアル・サスペクツ [DVD]

ユージュアル・サスペクツ [DVD]

 これは、恐ろしい恐ろしいサスペンス・ミステリー・ノワール映画だ。
 カイザー・ソゼは、漫画『モンスター』の主人公のようでもあるが、本当にいるのかどうかわからない。彼を知る人は、正体を見たものは、皆殺されているから。
 二度目に見たが、内容を全く覚えておらず、最後の鮮やかな終わり方『どんでん返し』だけは覚えていた。
 ソゼが何故そこまで、冷酷に逆らうものを全部殺せるかというと・・・。凄まじい悲劇が元になっている。
 酷い目に遭わされたものは、他者にも報復をよりいっそう強くするものなのか。怖すぎて、こういう映画は好まない。故に★ひとつ。役者も、演じていて怖かったことだろう。恐怖を描いているとも言える。
 知人から、最後の場面の解説を聞いた。まったく気づいていなかった。2度見ても、気づかない人は気づかないのだ。筆者の視力が悪く、画面を凝視しないことにも一因はあるが。(2018.08.21補足)

 『12人の優しい日本人』   ★★★☆☆

12人の優しい日本人 [DVD]

12人の優しい日本人 [DVD]

 これは、映画にまでする必要がない内容だった。テレビの2時間ドラマ枠で十分だ。
 裁判員制度の矛盾点、一般の人が裁判をするとはどういうことか。まず、皆やりたがらない。早く家に帰りたい。
 見知らぬ者同士で、忌憚ない意見の交換はできるものだろうか。
 密室の話し合いが最初から最後まで続く。

 事件の容疑者も被害者も、事件の映像は一切出てこない。役者のセリフのみがその事件のあらましをだんだんはっきりとさせてくる。ここはまあまあ、面白かった。故に3つ★を進呈。
 容疑者は有罪か無罪か、皆が一致しなければ家に帰れない制度だったとは、知らなかった。

 『きっとうまくいく』  ★★★★★
 

きっと、うまくいく [Blu-ray]

きっと、うまくいく [Blu-ray]

 アマゾン・プライムで映画が見放題なので、家族で見た。
 これは、面白くて腹を抱えて笑った。しかし、何のために学問をするのか、インドの父親の権限が絶対視されている社会のなかで、こどもは自分の進路を自由に選べるか、身分差別、裕福なものと貧しいものの格差の実態、その格差解消のための学歴競争などを盛りだくさんに入れて、それのひとつひとつをうまく行かせる、ごきげんな物語である。
 主役はPKでも主人公を演じたアーミル・カーン(インドを代表する名俳優の一人)で、20歳も年下の大学生を演じるために減量したという。敵役の消音銃(サイレンサー・音無しの屁をこきまくる優等生)が、いかにも現代社会そのものを表現していて滑稽であった。
 是非、インド映画をまだ知らない方に、お勧めしたい。
 映画は、銀幕のスターの世界。夢や希望が満ちていて、民衆を喜ばせるためのものだ。
 「Aal Izz Well」
すべてはうまくいく。という呪文は私も、いつもつぶやいていたい。