ごちそうさん

 NHKBSで、朝の連続テレビ小説ごちそうさん」が再放送されている。このドラマはとても面白くて哀しい。
 今は戦時中の食糧難の時代を、どう食い意地の張っため以子が生き抜いていったかを描いているが、・・・。先々週、戦地から無事帰還した、肉屋のゲンちゃんが痛ましかった。彼は、め以子の幼馴染でもある。
 戦場での体験、「人を殺してしまった」とゲンちゃんは語り、何も食べられなくなる。食べたものを、すぐ吐き出してしまうのだ。

 栄養失調になり、やせ細ってもう死にかけだ。

 その時、め以子は気づく。誰もが動植物の命を殺して生きているのだと。命あるものを食べれなくなった、ゲンちゃんの命をなんとか救いたいが「命はないけれど食べ物であるものはないだろうか」



 果たして、それは「乳」だった。牛さんのお母さんが出したお乳。それを絞って分けてもらっても牛さんは死なない。

 ゲンちゃんは温かい牛乳を一口飲み、命を繋いだ。
 
 涙、涙。

 め以子は優れた料理人だが、平凡な主婦だという設定である。名もない庶民の誰もが、創意工夫してあの食糧難の時代を生き抜いてきたのだ。食べ物に感謝、大切に食べて生きていこう。