ちょス飯の映画評

 『シン・ゴジラ』 再度鑑賞 ★★★★☆

 一度見ているので、前回気付かなかったことや聞き取れなかったところを、しっかり理解できた。ネタバレになるので、内容について詳しくは書かないが、是非皆に勧めたい。

 ひとりでは、巨大不明生物と闘うことはできない。大勢の人とコンピューター、世界中の知恵を集めて、勇気を振り絞って危機に立ち向かって、初めて生き延びる道が拓ける。

 対策本部を崩壊から救うのは、メンバーそれぞれの能力、胆力であり、おにぎりを配ってくれるおばちゃんでもある。

 逃げて隠れて、そして生き延びる作戦を立てるのだ。冷静に、正しい判断をわたくしたちは、日々の危機にもできるようにしていきたい。

 アメリカの特使はもうちょっと年増の、セクシー女優の方が説得力があるのではないか。丁々発止の演技がもとめられるのだが、・・・・。日系3世とはいえ、アメリカ人なら、喜怒哀楽をもっと激しく出す方が自然だ。
 かわいい手塚 さとみさんではまだまだ、毒がなさ過ぎるので、キャスティングにマイナス1★

 『アバウト・シュミット』  ★★★★★

アバウト・シュミット [DVD]

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 ジャック・ニコルソンが、平凡な会社員役。その定年退職後の日々を過ごす姿。
 若い頃愛し合った美しかった妻は、わきがのにおいが臭く、無駄遣いばかりして、趣味が悪くまったくいらだたせるばかりの存在になっていることに気付く。

 しかし、突然彼女に先立たれ、家事を一人でして行かねばならなくなる。

 目の中に入れても痛くないほど可愛かった一人娘は、バカチン男と結婚する準備に忙しく、母の葬式後、茫然自失で何もできない父親のために、慰めることもせず、家事を手伝おうとせず、「自立して」と言うのだった。

・・・シュミットは、テレビで偶然見たCMに興味を持ち、月22ドルの寄付で、途上国のこどもの支援をする親になる協会に入会する。そして6才のこどもに、自分のことについて書き始めるのだった。

 やがて妻が生前買った大型のキャンピングカーで、自分の生まれた街や、大学を巡りながら娘の結婚式に出席するために、新郎の母親の住む街へ向うが・・・

 この新郎の母親が、ぶっ飛んでいて本当に可笑しい人物だ。また新郎も、泥鰌髭を生やしていて胡散臭い、ウオーターベッド売り。彼女の前夫、こどもたちも面白い人々ばかり。彼女は言った。「息子のセックスがすごいから、ふたりは幸せになれる、別れませんよ」と。
 父親が一番聴きたくない言葉を、さらりと言ってのけるのだった。

 シュミットの浸かってくつろいでいる風呂に、素っ裸でどぶんと入って来て、だ。

 ジャック・ニコルソンはずんぐりムックリでまったく、醜い男だ。だからこそ、いろんな役ができる。大悪党から、大金持ち、善良な市民、ごく平凡な市井の人。落ちぶれた人も。

 彼の、演技、これは素晴らしい。現実に生きる平凡な人々の悲しさ、可笑しさが結婚式で最高潮を迎える。

 そして、物語の終わりにシュミットのこどもからの手紙が届く。
 まだ字の書けないこどもからの、絵。それを見て彼の目に涙が浮かんできた。

 わたくしも泣いた。

 是非ご覧下さい。