ちょス飯の読書日記
『天下商人』
- 作者: 高任和夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/10/08
- メディア: 単行本
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『あさが来た』の連続テレビ小説のモデル、広岡 浅子の父親の三井家のご先祖と大岡越前(忠相)と吉宗の時代が画かれている。
当時の江戸幕府は、米を農民から収奪することで働かない武士を養っていた。飢饉が来れば、財政は破綻する。
徳川300年を続けるための、あれこれの秘策、その苦闘がよく分かった。目安箱により、多くの社会制度が創設されて、困窮民が救われたことは確かだ。
忠相が、多くの人材を抜擢して適材適所で活躍させていく課程は、素晴らしかった。こういう話には、文字だけではなく、絵や写真が挿絵としてあったほうがわかりやすいので、マイナス1。
それにしても、幕府財政よりずっと三井一門がどんどんその戦略によって、財をなしていく課程は小気味良かった。経済を動かすのは、商人なのだ。社会を変革していく原動力となるのも、やはり私有財産を持ち発言権を得た商人たちなのだ。
大名も、両替商から金を借りるばかりで、踏み倒していたとある。細川家はとくにひどかったと知り、意外だった。