ちょス飯の読書日記
『奴隷小説』 ★☆☆☆☆
- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/01/30
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (9件) を見る
これは、桐野の虐げられた人々の抵抗をテーマにした短編集。テーマはそれぞれだが、やや毒が少ない。
物語の筋立ては、断然坂東眞砂子にかなわない。おどろおどろしさがない。
「告白」は、男が縄で縛られて老人の話を聴かされるというもので、美醜が奴隷にされるか否かを決められた、というくだりは面白かった。喉がからからの状態で、がんじがらめにされて他人の話を聴かされるとは、身体に受ける拷問より恐ろしいかもしれない。
アイドルを目指す女子を応援する、冴えない、結婚できない中年男達を描いた神様男も、おかしかった。