小さな訪問者

 「わんわん」と玄関の呼び鈴(犬の鳴き声に設定してある)が鳴った。
雨のなか、ランドセルを背負って近所の坊やが立っている。

 ママが家にいないという。

 「おばさんの家で宿題をして、待つ」と上がって来た。

 こどもは、部屋が乱雑になっていても、あまり関心がない。ほっとする。

 10月31日に、ハロウィンのお菓子を200円ばかり上げたが、「ラムネ菓子のおまけが丁度僕の集めているメダルのなかで、一番ほしい物だった」妖怪ウオッチの黒鬼がほしかったと、その夜電話で喜びを伝えてくれた坊や。

 ママのスマホに連絡すると、すぐママも妹の赤ちゃんとやって来た。

 部屋がめちゃくちゃ状態だが、勝手しったる隣人。もう逃げられん。

 笑いながら、今日の個別面談の話や近況を聞く。

 小学二年の坊やの宿題は、なかなか難しいものだった。「〇ろ〇ろ」という形容詞の〇に入る文字を書け、ときた。

 ヒントがそれぞれあり、もっと考えさせるべきだと思ったが、ママとchosuばあさんが、)教えてしまった。宿題が終わったら、すぐ遊びに行くと、そわそわしていたから。

 chosuが捨てるおもちゃを見てもらい、ほしいものを上げた。

 剣玉、独楽、ミニカー、ヨーヨーはまだとっておくことにした。