容疑者Cの哀しみ

 午後一時半頃だったか、11000円を財布に入れて、不用品をつめた段ボール箱をいつものように萬商店へ持参。縦横巾合計が88cmの箱だったので100cmとして、前回も送った寄付を受け付けているお店宛に、送る。送料は1180円。
 持込なので100円おまけで、1080円。小銭を財布に入れ忘れたので、10000円でお釣りをもらわねばならない

 萬商店は一日の売り上げが10000円もないので、迷惑だし、第一お釣りのお金がない。

 「コンビニへ行って、買物してお金を崩してきます」、と1000円だけ支払い80円を借りて、店を出た。そこは、今日店じまいする、歩いて5分のところにある。安売りをしているはずだ。

 そのときレジのおばさんは、「1000円も後で良い」と言ったが、chosu-manmaは「いや、80円だけお借りします。」領収のしるしでもある送り主の伝票を渡そうとするので、「全額払ってから受け取ります。」と言ってコンビニへ向かった。

 お店はお客がひしめいているかと思いきや、ふたりだけ。

 滅多に行かないお店だったが、閉店は淋しい。おばさんにあたたかいお茶も買って、萬屋へ急いだ。

 100円玉を出して、「残り80円支払います。お釣りは2円切手を10枚下さい。」とおばさんに渡すと、怪訝そうな表情。

 「1000円まだもらっていなかった。」という。いや、10000円をコンビニで崩してきたのだから、11000円のうち1000円を先に払ったよ。と少し前にふたりでやり取りした事実を主張したchosu-manma。

 自宅で、閉店するコンビニ最後のカフェラテを飲んで、昼寝していたら2時間くらい後で電話がかかり、「売り上げが合わない。お宅が1000円払っていないのではないか、調べてほしい。」とちょっと怒り気味のおばさんからだった。

 先日も、「送料を払ったのにまだもらっていない」、と言われたことがある。こちらも、一度だけおばさんと世間話をしていて、ゆうパックを頼んだが、代金を払い忘れて、思い出してから数分後に支払いに戻ったこともあったが・・・。

 今、レシートを見ると財布の中身も、chosu-manmaの言動と一致した金額しか入っていないが・・・。第三者の証言は得られない。

 ふたりの間で払った、払わないを証明するのは難しい。

 レジの合計金額は、必ず合っているはずだ。1000円をまだレジに入れていないのではないか?

 明日、またお店に行ってみよう。

 おばさんは、1000円は後で良い、と確かに言ったが「いえ80円だけ貸して下さい。」とchosu-manmaは言って支払ったことをすっかり忘れてしまったのか。
 おばさんは、耳が遠いし、よくトラブルを起こし経営者に叱られている・・・。もしかしたら、事実を記憶せず思い込みを事実だとしてしまっている可能性もある。

 家人は、「お前が悪い」「一括払いすべきだった。」「お釣りはその店が準備するべきことだ」という。成程。油断した。一筆80円未払い、借りたと書いておくべきだった。