ちょス飯の映画評

 『進撃の巨人』実写劇場版  ★☆☆☆☆
 封切り日に張り切って、見に行った。
 マンガとアニメでもかなりグロテスクな絵だったが、生きている人間をCGの巨人がばくばくと食い散らすのは・・・私の許容範囲ではなかった。

 折りしも大便がしたくなり、途中で退席して画面を遮っては他の観客に悪いからと、終わるまでの70分間くらい、吐き気と便意との孤独な闘いとなった。

 目をつぶってときどき、ちらりと開け、音だけ鑑賞をしながら、苦しみ抜いた。ラストの場面にほっとして、トイレに駆け込んだ。
 館内での嘔吐と脱糞をこらえきれて、自分に祝意を表した。安心した。
 やるじゃないか。

 以下、ネタバレ注意!!

 赤ちゃん巨人はいかんでしょう。そんなにどばっと大量の流血が無くてもいいでしょう。にんげんが食べられる場面は、もう少しぼかしても良い。
 若いお嬢さんたちや小学3年くらいのこどもも母親と来ていたが、・・・彼らは、どうも無かったのだろうか。

 ピエール瀧さんの人間味溢れる、兵士役が良かったのでそこだけ☆ひとつ。圧倒的に強い敵に対して、人類はどう対峙するのか。逃げて逃げて闘わないのもひとつの方法だ。勇者が、多くの庶民のために闘って一匹でも巨人を倒すのも、・・・。

 巨人を操っている人間達の一派が壁の中にもいるのでは?というところで終わった。壁を壊した一番でかい、煙を吹く赤い大巨人の登場は大迫力だったが、穴から出てきた他の巨人達は白黒で、2D丸出しで、ただのおじさんおばさんの顔をしていた。醜い姿でさまざまな体型だが、皆にたにたしているのが、非常に不気味だった。奇行種やこどもの型などさまざまな、歯が一杯ある巨人達・・・

 ただ、喰われてしまった者たちのことを悲しむ仲間たちの場面も必要だった。戦いだけではなく、緩急をもっとつけて静かな場面もほしい。

 この世界は残酷だ。それは、真実だ。