ちょス飯の読書日記
『家族狩り』 ★★☆☆☆
- 作者: 天童荒太
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
原作よりドラマの脚本の方が上だと思った。
家庭内暴力の果てに親子、きょうだいで殺し合う事件が珍しくなくなった昨今、ではどうしたら家族は愛し合って暮らせるのか。
アンチテーゼとして惨たらしい殺戮が描かれるが・・・。
親子が心身の暴力による支配と被支配の関係であってはならない。再生するには、第三者の手が必要だ。しかし、相談を受ける側が狂っていたら・・・
白蟻が、家の土台を食い荒らす様に、子どもが家を崩壊させる、その例えはなるほどと膝を打った。
刑事、相談員、教師、そして親。どの登場人物も心に傷を負いながら大人になり、親になる。そして、現材もさまざまな問題を抱えて生きている。
最後の最後に、刑事の家族が再生していくような描きかたであったので、やっとほっとできた。
ただ、子どもがじょじょに狂って行く場面・親を殺すしかない、と決め付けていく課程は、よく分からない。ちょっと現実味がない。