ちょス飯の映画評
『劇場版 サイコパス』 ★★★★☆
テレビアニメの別冊、アニメ映画。
第一部でマキシマを撃ち姿を消した、執行官のコウガミさんが4年後アジアの、内戦状態にある国でゲリラを指導しているところへ、日本からシビュラシステムが輸出されて・・・・
常守 朱(あかね)が、彼を捕縛に行くというストーリー。
ヒーローには、強大な敵が必要だ。その敵が本作では、社会を犯罪から守るための「システム」とされる。
人々は、犯罪を犯していなくても、常に監視されており「犯罪係数」が上がり、色相が濁ると捕まえられて、病院送りとなる。
他の人々に危害を加える前に、隔離し薬漬けにするのだ。
犯罪の無い社会が、果たして最大多数の幸せなのだろうか。
自分の頭で考えるより、機械的なシステムに学校、就職、結婚相手まで選んでもらえる社会・・・
これは、あり得ない。人間の尊厳を守るための、自由が縛られている。
さて、本作は非常に映像が素晴らしく、社会の法律を遵守しつつもシステムに挑む、監視官朱の活躍がかっこよかった。
政府軍が、屈強な傭兵を雇いコウガミを捕まえさせるが、傭兵のリーダーは、素手で闘いコウガミの健闘術に、驚く。また、彼のゲリラ達からの信頼される姿を見て、「仲間になれば、命を助けてやる」と言わしめるのだが・・・・
ハリウッド映画のような、展開。アクション、スリルが心地よかった。四足歩行をする戦車も可笑しかった。
ただ、安直に多くの人々が殺される。人命が失われることの痛みが、もっと描かれても良い。