ちょス飯の読書日記
『春話 岐れ道』 ★★★★☆
- 作者: 坂東眞砂子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/07/30
- メディア: 文庫
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面白かったのは、一つ一つの春画に、即興曲のような艶話が語られる。
風呂屋の、不細工な釜炊き男が客の女のあかすりをしながら、欲情してしまう場面。江戸時代には、大らかな性の交歓が庶民にもあったのだろうか。
宗教者が、性の喜びにおぼれてしまう場面を、坂東はよく描いている。性交歓楽至上主義を人間の本質としているのだろう。
だが、合体している最中の男女でも、心も体も、合致して愛し合えるわけではない。そこが、切ない。