ちょス飯の読書日記
『蛇鏡』 ★★☆☆☆
- 作者: 坂東真砂子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1997/06/10
- メディア: 文庫
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最後は、恐怖はこれから始まる、というところで終わった。
女たちが「この世の苦しみから逃れるためには、鏡の中に行くしかない」、と自殺に追い込まれる必然性の描写が甘い。
主人公のじいさんが、お向かいのいたいけな少女に、性的ないたずらをしていた場面は、ひどいと思ったが、被害者の少女が長じてからそれに傷ついているとか、心身が汚された、という描写の仕方はしない。ここが、坂東の特徴だろうか。
日本各地に、今も残る風習、因習。「祭り」の意味。坂東は、もっともっと書きたかったことだろう。
昨年の今頃、彼女は病室のベッドの上にいたのだろうか。彼女の遺したものを、これからも全部読んでいきたい。