ちょス飯の映画評
『少女は自転車にのって』原題 وجدة (ワジダ) ★★★★★
サウジアラビア初、女性監督の長編映画
- アーティスト: ワアド・ムハンマド
- 出版社/メーカー: アルバトロス
- 発売日: 2014/07/02
- メディア: DVD
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イスラムの戒律を守り続けているサウジアラビアでは、女性は車も自転車も運転してはならない。家の外で、肌を見せたり声を出してもいけない。
それは、女性の貞操を守るためと言うことなのだが・・・。
どんな環境にあっても、こどもは屈しない。生き生きと生きる少女ワジダ。大柄で美しいママは、夫が第二夫人を持とうとしているので、いらいらしている。
母子は中流以上の暮らしをしているが、パパは時々しか帰宅せずママも職業婦人。運転手が不法入国者で、態度が悪いからとくびにすると、職場まで行く足が無くなってしまう。
ワジダがボーイフレンドとママのために、運転士を脅しに行くところは面白かった。
最後は涙、涙。コーランの暗唱コンテストで宗教問答の場面。きっぱりとした教えは、とても興味深い。地球で一番過酷な環境の中で信じられている最大の宗教だ。そのフレーズ、節回しが素晴らしい。
女性の自立を許さない社会のなかでも、女の子の中に負けない魂はある。
初めて見るサウジアラビアの今日。町の様子、人々の暮らしが興味深かった。