ちょス飯の読書日記
『ソロモンの偽証』第Ⅲ部 法廷 ★★★☆☆
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/10/11
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (73件) を見る
謎解きは、丁寧。ひとりひとりの中学生が、救われる。いじめる側もいじめられている側も。
マスコミ批判も痛快だ。
しかし、コレは馬鹿丁寧すぎる。もっと、コンパクトに短くした方が良いのでは。本筋の他に、たくさんの小さな物語がちりばめられているが、これが多すぎる。
宮部の中学生への優しいまなざしが、あふれてはいるが、「かつて悲惨な事件にあった当事者が救われてほしい、守られるべきだ」という作品が多すぎるのではないかな。
自殺した柏木くんの、本心はやはり釈然としない。自殺したら、自分を成長させたり、変化させる次の出会いができない。
周りの人々をずっと苦しめ続ける。
「自殺するぞ」とただ1人の友人神原君を、脅して苦しめた柏木君。その後の大騒動を引き起こそうとしていたのか、と思っていたが・・・。
最後に、弱々しかった野田健一君が、ヒーローになったところは、少し良かった。
ラストのエピソードは無くて良い。
大出の父親の、会社のその後が気になった。