ちょス飯の読書日記

 『ソロモンの偽証』第Ⅲ部 法廷  ★★★☆☆
  

ソロモンの偽証 第III部 法廷

ソロモンの偽証 第III部 法廷

 謎解きは、丁寧。ひとりひとりの中学生が、救われる。いじめる側もいじめられている側も。
 
 マスコミ批判も痛快だ。

 しかし、コレは馬鹿丁寧すぎる。もっと、コンパクトに短くした方が良いのでは。本筋の他に、たくさんの小さな物語がちりばめられているが、これが多すぎる。

 宮部の中学生への優しいまなざしが、あふれてはいるが、「かつて悲惨な事件にあった当事者が救われてほしい、守られるべきだ」という作品が多すぎるのではないかな。

 自殺した柏木くんの、本心はやはり釈然としない。自殺したら、自分を成長させたり、変化させる次の出会いができない。

 周りの人々をずっと苦しめ続ける。

 「自殺するぞ」とただ1人の友人神原君を、脅して苦しめた柏木君。その後の大騒動を引き起こそうとしていたのか、と思っていたが・・・。

 最後に、弱々しかった野田健一君が、ヒーローになったところは、少し良かった。

 ラストのエピソードは無くて良い。

 大出の父親の、会社のその後が気になった。