父の納骨

 故郷の寺の地下にある納骨堂に。11日新宿から高速バスで出発。
 予定通りに到着。母には午後6時頃着くと言ってある。

 さあ、3時間は自由。

 駅前デパートに立ち寄り、人形の鳴き笛や生地を見よう。玩具屋にはどんな人形が並んでいるかな?

 すると、店内放送で「黙祷せよ」と呼びかけられた。
 東日本大震災から3年も過ぎてしまった。店内の客はそれぞれ立ち止まり、黙祷していた。

 売り場へ行くと、やはり人の形の人形は皆無。文化人形などどこにも無い。特別展示のアンティークドールは、アメリカのオランダ移民の作ったもののようで、帽子の形が特徴的な正装のドレス姿。色褪せたオフホワイトの麻の生地だ。
 本体は、陶器か粘土で、小さな目をしている。リアルな顔立ちだった。

 ああ、そうか。目をデフォルメして仮分数な大きい顔に作るのは外国のお人形には無いのかもしれない。日本の漫画、アニメにも通じる文化なのかもしれない。

 思わずふるさとの生地店のラベルの張ってある端切れの3枚セットを、二組買った。

 そして、実家最寄駅に到着。持参した、自分のお人形をホームのベンチに置いて記念写真を撮る。

 まだ一時間以上はある。

 母の妹宅へ行く。

 荷物を実家に置きたい所、母が「あんなもんのとこへ行くな!!」と烈火のごとく怒るのは目に見えているので。

 叔母は、私の訪問をたいそう喜び、人形に歓声を上げてくれた。楽しい人形作りのことを話すと、共に喜んでくれた。