二度目の店番

 ええっ!!

 一回目では、楽しくのびのび接客できて相方の先輩もchosu-manmaさんの客あしらいが素晴らしい、などと誉めてくれたが・・・。

 今回の相方の先輩は違った。

 自作人形を、急いでいないお客に「見て下さい、どうですか?」と見せようとしたら「
お客からクレームが来るからそれはしてはいけない。」と言われてしまった。

 chosu-manmaの店は、客から見えない下段にあり知らせないと誰も腰をかがめてまで見ようとしない位置だから、新規開店の挨拶として客に紹介したかった。

 自分の当番の時こそ、作品を見てもらえるビジネスチャンスだとばかりに新作を3体持参して来たのに。

 結局作家仲間の人には、非売品と札を付けた新作を見てもらえ「頑張って作ったね」と誉めてもらえたのだが・・・。

 この日の相方の作品を尋ねると、3点しか置いてない。今月も先月も売り上げ0。

 あそうか、1万円以上稼いだchosu-manmaに嫉妬したんだ。
参った。

 家賃、手数料、協力金と取られて、材料費以下の値段で販売するのは馬鹿馬鹿しい。

 もう、この商売は止めだ。寅さんのように、露天商になって人形を売ろう。手作り品のバザーはいろいろな場所で開かれている。3ヶ月が最短契約期間だから、4月までここで頑張って。

 恩師が開店早々、友人が閉店間際にやって来た。二人に見てもらいたくて、この日当番だと知らせてあった。
 大急ぎで前夜に仕上げたお人形を、ふたりはにっこりして見てくれた。非売品の札を付けてある。
 ひとつは自分に、ひとつは近所のおばさんに売約済み。もうひとつはお店に置くつもりだが、もっと大勢にしてから並べたい。

 売りつけるつもりはない。見てもらいたいだけだったのに。こういうものを扱っていますよ、と知らせたかっただけなのに。

 見ると、微笑みを得られるお人形なんだから・・・・。