母は元気

 「もう死にそうだ。明日病院へ検査に行くが、誰も付き添ってくれない。」
 一年ぶりに電話すると、母がかすれた声で言った。

 すわっ。とうとうこういう日が来たか。だが折りしも、chosu-manmaの左肩はいヶ月前から激痛が続いており、整形外科へ行っても全然治らない、薬が全く効かないで苦しんでいるときだった。母の指定した10月1日、その日は三ヶ月前から大学病院へ定期健診に行く予約日でもある。

 「実は自分も、体調が悪い。病院の診察が終わり次第、薬をもらって会いに行くわ、嫁かきょうだいにつきそってもらってほしい。」と言うと娘の体調には全く同乗せず無関心で、
「じゃあ、近所に住む妹に頼むわ。来なくていい。」とchosu-manma-manmaは冷たく電話を切るのだった。

 だが、いてもたってもいられない。
首から肩肘手首まで痛みが、ずっと続いていることを主治医にいうと、受診以来初めて、痛み止めの点滴をしてくれた。
 痛み止めも3種類もらい、来週MRI検査をしましょう、と手厚い対応を。

 点滴は即効。帰宅後必死に着替えなど旅装を調え、翌日から母に会いに帰省。chosu-pampaとchosuは、無論大反対。
 毒ガスを吐く母だからだ。
 帰宅後ずたぼろに心を傷つけられたchosu-manmaから、母の極悪非道ぶりを何日も連載のように聴かされたくないからだと。

 だが、仕方ない。

 新宿住友ビルから名古屋行きのウイラーと言うバスのチケットを格安で予約できた。なんと行き2100円。帰りは4000円ぽっきり。
 chosu-pampaは、排気ガスが毒だとか事故が多いからと、高速バスを憎んで乗るなと言うのでいつもは、JRの東海道線普通で帰省するが、自分の貯金を取り崩して母に会いに行くのだから、安い方法を選ぶしかない。

 こじゃれたピンクのバスに11:45乗り込む。
 どきどきしながら故郷へ向かった。バスの背もたれの裏に、タブレットのような画面があり、隣席の女性に使用方法を教えてもらう。なんと、ゲーム、音楽、テレビも映画も6本入っている。見たかった「ホビットの冒険」を選び、無料で見られた。

 足柄では、めちゃイケとタイアップしたおみやげ物やがあったり、・・・・10数年ぶりの東名高速の旅。なんだかひとりで、誰のことも世話せず行けることが愉しくなってきた。

 窓から見える空の広いこと。富士山は曇っていて見られなかったが・・・。chosuに見せたくて、美しい夕焼け空をバスの中からデジカメで撮影した。

 ほぼ予定通り名古屋に18:45頃到着。
 実家へは私鉄を乗り継ぎ、20時前に到着。弟が出迎えてくれたが・・・。母は、挨拶すると「どこも悪いところはない、何しに来た」と言う。

 がちょーーーん。つづく