ちょス飯の映画評
『パシフィック・リム』 ★★★★☆
ネタばれ注意!!
マジンガーZが、原作かと思っていたら、日本の怪獣映画やテレビアニメが大好きだったメキシコ人監督ギレルモ・デル・トロが、「本多猪四郎に捧ぐ」ために作ったものだった。(と、もうひとりの外国人に捧ぐと)
怪獣が海の底の割れ目から出てきて、沿岸都市を次々破壊する。人類は狩人「イェーガー」と呼ばれる巨大ロボットを作り対抗する。
大きいロボットは、人がふたり(中国制は三人)でロボットの右脳と左脳を担当してシンクロし、闘う。アメリカ一国ではなく、日本、ペルー、オーストラリア、ロシアなど各国のロボットがその国の「ケンカに強い」「心を一つにできる」ペアを乗せて、人類全体のために闘うところが面白い。
国連は、大きな壁を作れば怪獣を防げると、ロボット開発にお金を出さない。が、人の作った壁など、一瞬にして怪獣に破壊されてしまう。
怪獣は、大津波と同じ。人の力では防げない。
子どもと家族向けに作られている。香港の街の破壊場面はものすごい迫力で、リアル。だが、人が死ぬ場面はない。
ただ、光の点滅が激しいのと、怪獣のデザインがださすぎる。しけているので☆1つマイナス。
単純明快なストーリーで、ロボット対怪獣の闘いが、大人も存分に楽しめる。奇妙な変人博士ふたりも可笑しかった。香港人に怪獣の死体ブローカーがいて、怪獣の体を漢方薬として切り売りしていたり、怪獣の表皮にいる寄生虫が団子虫の巨大なもののようで、犬のように腹を上に抱かれると足がわさわさと動くのが可愛らしい。怪獣を神の使いとして信仰する人々がいるのも面白い。
日本人ヒロイン菊池凛子と芦田愛名は、どちらも素晴らしい演技だった。
最後は、ヒーローとヒロインのキスシーンで終わってほしかった。また、司令官と同乗した若者には、生還させてほしかった。