ちょス飯の読書日記
『獣の奏者』Ⅰ闘蛇編 ★★★★★
- 作者: 上橋菜穂子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/11/21
- メディア: 単行本
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これは、面白い。10才位の子どもにも老人にも、無論若者にも勧めたい。
挿絵はない。表紙に王獣の影が描かれているが、闘蛇(とうだ)も王獣(おうじゅう)も具体的な姿が書かれていない。
読むものが、その姿を想像しなければならない。匂いも。
アニメ化されたが、全巻読了してから見てみようと思う。
主人公エリンは、10才。序章で母を失う。父はこの国(大公国)の人だったが既に亡く、母は「霧の民」出身だったので、この国の人と違い、緑色の瞳をしている。
母が、処刑されるところを助けに行くところ、母が娘を助けるために掟を破る場面は、すごい迫力だった。
蜂飼いに、命を救われ育てられるが、そのときのエリンの賢さ、いきものを愛する姿が美しい。いきものたちの不思議。それぞれの暮らしぶり。匂い。
インドの蛇使いが笛で、蛇を操るように大きな獣でも、音なしの笛で操れると書かれている。なんてロマンチック!!
親のない子で混血のこどもで、女。
虐げられ、差別され偏見を持たれるエリンだが、カザルム王獣保護場(獣医師の養成学校)で、ユーヤンという関西弁の女の子と知り合う。
ユーヤンが、エリンの初めての友人となるところは涙が溢れた。
いじめられている子供達に、上橋はこれを書いたのかもしれない。
次巻が楽しみだ。