ちょス飯の読書日記

 『エチュード』 ★★☆☆☆
 

エチュード

エチュード

 人混みでの無差別殺人事件を、心理捜査官がプロファイリングで見事に犯人を挙げる。
 将来ある若者が、非行少年たちに暴力を振るわれ怪我を負い、夢が断たれる。犯人はそのときの、警察の対応や青少年犯罪への刑罰の軽さに憎悪を募らせて、犯行を計画して実行する。

 筋がスマート過ぎる。もう少し、なめらかでない部分も、必要だ。
 つまり、そんなにプロファイリングだけで、やすやすと事件は解決できるものではないと思う。
 
 目撃情報がいかにあいまいなものか、人の記憶はいとも簡単に上書きされてしまうという実験の場面は面白かった。

 刑事訴訟法の講義で、衝撃を受けたことを思い出した。

 アメリカでは、白人がしたことでも「犯人は黒人だった。」と答える目撃者がいると。