ちょス飯の読書日記
『マザーズ』★★★☆☆
- 作者: 金原ひとみ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/07
- メディア: 単行本
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夫の協力が得られない、また実母とも疎遠なママたちの子育て地獄がリアルに描かれていた。とくに、普通の主婦涼子がコンビニからの帰り、引ったくりに襲われて入院したい、そうすれば育児から解放されるという妄想の場面には、「あるある」と思った。
作家のママが、別居してのびのび暮らしている夫の部屋で「巨乳」AVを見つけて、暴れまくる場面はすごかった。
モデルのママは、夫を愛しながらも自分を愛してくれる男と、不倫。しかもそのために、ベビーシッターを雇っている。
密室で寝不足にふらふらになりながら、ひとりで病気がちな乳児を育てるのは大変だ。涼子が発狂寸前で育児をしているという描写は怖い。
父親になったら、これを読もう。
女に生理が始まる場面、流産の苦しみ、産後の性交の辛さ・・・リアルな場面を読んでほしい。男は、女のことをもっと知るべきだ。赤ん坊は、母親一人では絶対に、育てられない。また、夫婦だけでも無理だろう。
他者の支えが必要だ。
母親の癒しも。