平野 啓一郎と野口 健

 まだ会ったことの無い二人が、会いたい人に会う。「スイッチ」という互いに仕事場を訪ねてインタビューし合う、NHKの番組を録画で見た。

 私が、このブログを始めたのは、平野氏の『決壊』を読み、彼が「はてな」にブログを書いていると知ったからだった。
 その後彼の著作は『ドーン』しか読んでいない。『日蝕』は一ページ目で読めなくなった。難しすぎる!!

 だが、この番組で彼が小説を書く意味を知った。「自分の病気を治すため」自分が治れば、これを読んだ人も治るという。
 読んで、共感するだけではだめだ、新しいことを知ってもらいたいと。
 なるほど。そうだ。私はいつも、自分が共感できるものを漫然と読んでいたかもしれない。もっと、平野氏の著作を読んでみたい。とくに、紹介された、「自殺した人が生き返ったら」、という内容の最近作に興味を持った。

 野口さんの臨死体験、山登りのこと、ゴミ拾いのこと、そしてヒマラヤのシェルパ遺児の援助や自然保護などの活動を知った。
 彼は、作家とは違い、机上で書いているだけではない。真摯な活動をこんなに、自らの身体を使って実践している。真剣だけれど、明るいひょうきんな表情も、野口さんの魅力だ。