羽化できなかったサナギと新しい命

 夏みかんの枝の高いところに、ぶらぶらと死んだサナギが揺れている。寄生されていたのだろう。小さな虫が彼女の体に付いていたのを見ていたが・・・やはり、この子は死んだ。

 そして、新しい卵が葉に産みつけられた。がんばれ、赤ちゃん。お姉ちゃんは死んでしまったけれど、君はきっと羽化して飛び立て!!

 グレープフルーツの木にも、昨日緑色になった坊やが育っている。この木は、白い綿のようなカイガラムシに被われてしまったので、くりくり坊主に枝を切り落としたばかりなのに、どんどん新しい芽をだし、美しい黄緑色の葉が茂り始めた。そこへ、卵を一個だけ産みつけられたのだ。
 アゲハの母さんには、ここには一個産もう、あそこには13個産もうと蜜柑の木の地図があり産卵の計画があるのだろう。