王者を倒す

 まさか、と誰もが思っただろう。
 昨日、県立岐阜商業高校が、大阪桐蔭高校を破った。右足にデッドボールを受けて激痛をこらえての、藤田投手の落ち着いた投球。最終回、ツーアウト二三塁。一打逆転さよならのパターンだった。
 それを恋女房コウヤマ君が、渾身のブロック。桐蔭のサードランナーの激突は、反則とのことだが・・・気持ちはわかる。しかし、大怪我になりかねない。やはり禁止行為と見なされる。が、まさか、王者がここで負けるとは。
 だから、高校野球は面白い。対戦する駒がすべて体格も技術も上で、練習環境がプロ並に整備されていたとしても・・・田舎の公立校が、勝つことがある。アウエイ状態の満員の観衆の中で。
 練習通りのセンター青木からの、魂の込められた返球が、試合を決めた。
 だが、試合後監督は、それは練習時には見たことのないほどの、返球だったと言う。

 ♪みどりしたたる金華山、水清冽の長良川・・・また、校歌を聴きたい。次の相手は、スーパー2年生安楽を擁した四国の雄。全員野球で打ち砕け!!