ヘビーな話

 大学時代の友人が、障がいを重複して持つ長男を、施設に預けたと年賀状に書いていたので、どうしてもいきさつを知りたいと、電話してみた。
 長男が、パン屋で働いていたがだんだん飽きてきて、家にこもるようになってしまった。意志の疎通もできないので、やむなく施設にいれたが、そこは自宅近くから遠く離れた山奥。
 預けた日、長男は母を追いかけ崖から転落したと言う。

 号泣して「これではいけない」、「よし、自分で施設を作ろうと決めた。」と言う。そして、若い頃からの夢だった牧師を目指す。海を渡って春から神学校へ入学し、夫は一人で彼女が学ぶ3年間をひたすら待っていてくれると言う。その間に、県や自治体に働きかけ、施設の建設計画を練るとも。
 
 下の息子達も、それぞれ彼女の家に居候している。もう、手を離れたとのこと。

 これは、すごいことだ。

 早速今月中にも、首都圏の施設を見学に来るとのこと。20数年ぶりの再会を約束して、電話を切った。