ちょス飯の読書日記
『方丈記・徒然草』 ★★★★☆
ジュニア版 古典文学 8 巳野 欣一 編
1975年ポプラ社刊
Eテレの『100分de名著』で紹介されたので、方丈記を子供向けの解説が付いたものを読んだ。
なるほど、大変な飢饉、大水、大火、地震のルポルタージュが、800年位前の都にもあり、人々がものすごい苦しみを味わった。多くの人が死んだと描かれている。
冷静に実況を語る、長明。
おまけに付いていた『徒然草』の抜粋も、小学校の頃習った文章などを改めて読み、思い出した。「高名の木登りといいしおのこ」「このいちやにてさだむべし」・・・今でも、繰り返しリフレインされている。刻み付けられた言葉だ。
ふたりに共通しているのは、観察者となり人々の愚かさを、淡々と書いたり、権威あるものへの皮肉、感動しきりのものへの冷淡な真実をつきつけながらも、哀愁がある書き方・・・・
800年も前の人間も、今の私達もそう変わらない。人の本質は変わらないと。よく分かった。