アゲハ合掌

 もうすぐだと心待ちにしていた。さなぎが黒くなったら、必ず翌日には羽化する。このさなぎは、美しい緑色をしていたが、黒くなってからもう何日も過ぎた。でも、君は出て来ない。ここまで育って来て・・・飛び立つ前に、殻の中にいたまま、あの世へ旅立ったのだろうか。暑さのせいか、それとも寄生されていたのか・・・病気?・・・ひきこもり?・・・
 彼は、死んだのだ。秋になるまで待ってみよう。亡くなったさなぎたちを、供養したい。

 ゴーヤーネットをもろともせず、なんとマダムバタフライ・ノワ−フがやって来た。嬉しい。 8月12日のこと。

 17日。黒アゲハの赤ちゃんが、小さな甘夏蜜柑の葉の下から生まれ、いつの間にか育っている。どうか、生き抜いてほしい。秋までに羽化するのか、冬越しするのか。死んでしまったナミアゲハたちの分も、元気に育て。

 知らぬ間に、飛び立ったものもいる。今日も、無事に大空を飛んでいるかい。美しい羽を広げた姿を見られず残念。殻のさなぎが残された。陽に透けている。なかなかのフォルム。秋に取り外してこれも、蜜柑の木の根元に埋めてやろう。