ちょス飯の読書日記

 『天地明察』 ★★★☆☆
 

天地明察

天地明察

 主人公渋川春海が、泣き虫でひ弱だが様々な試練の果てに最後の最後に、わが国独自の「暦」を作る。登場人物の和算関孝和のことは、日本史で習ったが、春海のことは、これを読んで初めて知った。生き生きと歴史上の人物が、動く。筆者の、縦横無尽の作風に参った。
 マルドゥック・スクランブルを描いた人が、これも描けるなんて。

 ことというからだの弱い先妻を、亡くして悲しむ春海の姿に涙。だが、元々愛していた、おえんと結ばれ子もなし、睦まじく暮らしたことに、安心した。
 また、会津藩主の名君ぶりに驚いた。光圀は豪快すぎて、テレビドラマの黄門様とあまりにも、イメージが違った。

 ただ、天体観測と算術の方法が、具体的に書かれていないので、付録につけてほしかった。故にマイナス2☆。