ちょス飯の読書日記

 『カラマーゾフの兄弟』第3巻 ★★★★☆

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)

 遂に兄弟の父フョードルが、殺された。文中では、長男ミーチャが殺したかのような書き方だが・・・再度読み返すと、確かに分からない。

 本筋以外に、脇の物語が延々と描かれていて、またそれも人物の書き込みがすごい。130年前の人本の中で、生きている。今生きている人々の中にも、同型の人々がいる。私に似ている人も・・・

 夜の明かりはろうそく。車は馬車のみ。
 大きな身分差別があり、貧困者の姿はあまりにも惨め・・・
 だが、司法制度が整っていることに驚く。

 一人の人のなかの変容、変貌。多彩な面。これが愉快だ。

 男3人兄弟の、それぞれの特徴、設定がすごい。野獣と聖者と。美と醜悪さと。
 長すぎるのが、辛いが4巻を読み始めた。

 亀山氏訳だからこそ、面白いのかも。