ちょス飯の読書日記
『王国』 ★★★☆☆
- 作者: 中村文則
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/10/14
- メディア: 単行本
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現代の娼婦の物語。だが、・・・・マゾがサドを支配するとは。
やや、『1Q84』の青豆に似ているユリカが、男を翻弄して金を稼ぐところは小気味良い。
けれど、暗転。
『掏摸』に出てきたような、得体の知れない巨悪の木崎が、小悪の矢田が、彼女の命を狙う。
木崎は、何故か博学でキリストとソクラテスを引き「神」の批判をする。・・・・そして、神は悲喜こもごもの人間劇場を見て楽しんでいるという。木崎の視点は、神のものというより、作者のものなのでは。
怖い小説だ。
『掏摸』が、あまりにも面白かったので、比べてしまうとこれはちょっと小粒な作品。