chosu飯の読書日記 『いっちばん』
『いっちばん』★★★☆☆
- 作者: 畠中恵
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/07/01
- メディア: 単行本
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山本周五郎の小説に、不器用な職人の話が出てくる。寺内小春のドラマにも。確か小林薫演じる頑固な寿司職人が、器用にすぐできるやつより、不器用で時間をかけて努力し続けるやつの方が、いい仕事をするようになる。
「ため」「助走」「繰り返し」「時間をかける」よい言葉だ。
菓子作り修行をやめる、とさんざん泣いた若旦那のただひとりの友栄吉。そのとき何も言わず、泣き止むまで、じっとだまっていた若旦那。だまって寄り添うことが、結局友への一番の励ましとなった。