19to22 「いくら」はいくら?
19日 はれ
認知症の叔父が元気になった。写メールが彼の次女Sちゃんから届く。
いろうによって栄養補給ができ、血色も良くなり言葉もすこし話せるという。
遂に新年宴会の夜が来た。
滅多に来客を呼んで食事を振舞ったことのないchosu-manma。あれもこれもといろいろ献立を考えるが・・・・。ぴゅうちゃんが、ギョウザを大量に作るというので、シンプルに。
午前中に百均ショップとスーパーへ。
土鍋(840円)と汁椀、蓮華を当日になって買い、食材も買い自転車の前後に積んで、スーパーから自宅までゆっくり運ぶ。
三時間煮込んで、鶏の水炊きを作った。それに義母が送ってくれるもち米がたくさんあるので、レトルトのハマグリご飯の素と五目とり飯の素を混ぜて三合ずつ炊いて、おこわおにぎり。
ここで悲喜劇が起こった。
安い材料の貧しいご馳走の中にきらりと光るものを、と一パック590円もする「いくら」ちゃんを買い、ゆで卵のファルシェにのせて「さあ、どうだっ」と並べたが・・・
主賓のぴゅうは真ん中のプルーンしか、食べない。彼女は中国人。「生ものを食べられないの」だと言う。
がーん。
ぴゅうちゃんのために、大散財して準備したのに。残念!いや、見栄を張ってしまったの。
「行けたら行く」と言ってくれた、ぎいちゃんは約束の午後7時より5分前に到着し、遠慮がちにいくらを食べてくれた。これは良かったけれど。
初めに金箔入り清酒で乾杯。これもぴゅうは飲めなかった。もっと彼女の好物を調べるべきだった。chosu-manmaには、うまくてしょうがないものを、受け付けられない人もいる。ごめんね。
鶏鍋は皆に大好評で、本当にうまかった。
このお猪口にたった一杯の金箔酒が、利いた。酔っ払ったchosu-manmaは、がははと笑いながら自慢話が止まらない、馬券が当たった話、アルファロメオのモニターになって二ヶ月間只で乗っていたchosu家の栄光の話などなど。
皆聞き古した話なのに、また驚いて笑って聞いてくれた。ごめんなさい。
かっこいいぴゅうちゃんのご主人と会えたので、たまりにたまった「言いたかったこと」をべらべらしゃべって醜態をさらしてしまったのだった。
閉塞状態に陥っていたぎいちゃんは、うまいものを食べて、おかしい話をして盛り上がり、少しは気が晴れたかな。彼女も、悩み事以外の明るい話をし、皆で聞くことが出来た。
20日 くもり
昨夜Kくんが、少し風邪気味だったので、体の弱いchosu-manmaは、伝染ってしまったのか。朝喉が痛む。パブロンを飲み、安静に。腰痛。
chosu‐pampaとフェブラリーSに行くつもりが・・・予想を託して家で待つ。結果は、ふたりとも全敗。
午後四時半、ウインズから戻ってきたchosu-pampaと「はやぶさ」の記録映画をプラネタリウムで観る。
キセノンガスエンジン、往復する探査機、どれも世界初の試みだったという。
火の玉となって大気圏に突入したカプセルとばらばらと壊れ、散っていった本体の映像に涙涙。
機械にも魂が宿ったのか。
はやぶさの死に、本当に胸が悼む。
死んで、役目を果たすとは。
カプセルの中身は無傷。
イトカワから採取された微小物質の分析結果が待ち遠しい。
静かな珈琲屋で、一服しようとドアを開けたら・・・・。いつもと違うじいさんがマスターになっている。
お客もたちが悪いじいさんが、ひとりだけ。大声で、選挙の話をしている。
小さい声で話してくれや!
chosu-manmaたちの、ロマンチックな珈琲タイムは、はげじいやとマスターの大声会話に、吹き飛ばされてしまった。むーん。
ベトナム珈琲と、ガナッシュケーキがうまかったので△。
chosu-pampaは、ブラジル珈琲を自分で選んだ伊万里の器で堪能した。彼の白い生クリームケーキをちょっぴり横取りすると、まあ美味だった。
21日 はれ
chosu-manma、面接。
四人ずつだが、あまりに皆真剣なので、気圧された。自分には彼らのような熱意はない。前回はハイテンションで、臨んだのだが討ち死に。期待せず、結果を待とう。
その三時間前。
chosu-pampaに教えた暗証番号が間違っていてキャッシュカードが使用不可となってしまった。
彼は、喘息治療のため医院へ出かけ、その前に給料を引き出すために立ち寄ったATМの前で固まった。
カードを銀行で作り変えねばならなくなった。
大切なchosu-manmaの面接日だというのに・・・。電話で呼び出され、印鑑を持ってレスキューに向かった。
ああ、彼はピンチに弱い。
いつでもアクシデントは起こるものだ。
くくく、妻の落ち度が原因だったが、こういうことも常に起こりうる。
日ごろから危機管理が必要だ。
動揺せず対処すれば、何も焦ることなし!