N君三回忌

 早いもので、彼が亡くなって丸二年。46才だった。亡くなる三ヶ月前スキルス性胃癌が発見されたときには、既に最終ステージだった。しかし、彼は「死ぬと決まったわけではない」と言った。

 chosu-pampaが、覚醒したのは彼に出会ったから。彼も、chosu-pampaと出会ってくれた。
 負けず嫌いの彼は、学生時代、腕相撲も走るのもボウリングも、ソフトボールも勉強も「chosu-pampaさんに負けて悔しい」と愛妻に語っていたそうだ。
 誰とも競争せず、勝っているともなんとも意識していないchosu-pampaだった。
 その翌年の正月に弔問すると、彼の生家の貧しさに胸が痛んだ。何もかも、両親に頼らず生きてきた彼。もし、学費を借りて勉強に専念できていたら、と悔しかった。病院で働きながら、高校へ行き、そして二年前からは、正看護師になるための専門学校で学んでいる途中の死だった。

 彼の棺には、卒業証書が供えられた。首席だった。

 未亡人となった、Tちゃんにクリスマスカードを出そう。亡き夫の職場の事務員となり頑張っている。