朝十時からの映画祭
ちょス飯の映画評 『ミクロの決死圏』★★★★☆ ネタばれ注意!
『ミクロの決死圏』(1966年米映画)をchosu-pampaと見る。原作を最近読んだchosu-pampaによると、かなり物語が単純化されているものの、見る者の心を震わせるジャストミートの大迫力映画だった。
まったく宇宙に匹敵する無限のミクロの世界へのSF冒険活劇――負傷した科学者の体内に医師団の乗り込んだ潜水艇が、細菌の大きさに縮んで入り、脳内の血塊を体内から除去する!――だった。
今から44年も前に、赤血球や白血球がぷかぷか流れる血管内や肺の中、心臓の中など、人体の中を忠実に映像化できるなんて!本当に脅威の映画だ。
ミッションを終えて、無事に帰還したクルーがスタッフとただ抱き合って喜ぶ。解説はなし。そこで終わる。 始まりもあっさりしていたが・・・。
危機と解決が矢継ぎ早に展開。緩急の繰り返しで最後に最大の危機が用意されている。しかし、正義(アメリカ)が勝ち、悪は滅びる。チームは一丸となって見事にミッションを成功させ、窮地を脱する。これぞアメリカ映画!
誰にでも分かる。
兵士をミクロ化することは既に実現できており、それを一時間以上維持できる技術合戦をしているという設定は荒唐無稽だ。しかし、娯楽映画であっても「軍事産業」のための科学技術開発に対する批判も、加えるべきであった。故にマイナス1☆とする。
と、ここまで書いてからchosu-pampaが原作では、この技術の完成を阻止しようとした者の真意が書かれていたとのこと。それこそが、作者の主張であっただろう。作者の意図が、映画化されるとき変更されることは、よくあることだけれど・・・・・。うーん、どうかな?