本日の予定

john-honest殿より訂正記事
 “「ヨハネによる福音書」,マタイ,マルコ,ルカ,ヨハネ使徒行伝と続き4巻目でした.”
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本日の予定
 1 台所の引き出しの中の不用品仕分けと整理整頓
 2 押入れの中身を出す。そして同上
 3 雑巾縫い
 4 掃除
 5 夕食にチキンカツ・・・・暑い中、小さい手と短い足で懸命に働くchosu-pampaに捧げる。
 6 U&Kはどうしているかな?夕方のぞきに行く

  
 ちょス飯の読書日記
 『静人日記』★★★☆☆
    

静人日記

静人日記

 これは・・・・。「悼む人」静人の毎日を彼が日記に書いているという設定。作者天童氏が、実に三年間も静人になって描き続けたものから作品に仕上げたとのこと。
 架空の人の架空の旅を毎日続ける・・・ちゃんちゃら可笑しいような、空恐ろしいような・・・そして彼の厳かな大真面目な死者の悼みの行為・・・・。

 陰鬱な毎日。何せ生命を維持できるぎりぎりのものしか食べない。ゆで卵、トマト、食パン。うまいものを食べない旅だ。一歩ずつ歩いて、非業の死を遂げた人ひとりひとりの現場へ行く。夜は、野宿。

 死者を全くの他人が悼む。しかも自分が会社員だった時代の貯金を取り崩しながら・・・・これには、参った。

 ただ、後半ぎりぎりに自転車野郎から愛されたり、耳の不自由な女性との恋愛模様が描かれていてほっとしてきた。なんとか、この旅が終わりますように、と願ったが・・・。
 葬儀に使う菊栽培のばあさんが、読者の気持ちを代弁。

 静人に言いたい。ごく普通に死んでいった人も、非業の死を遂げた人の死とあまり変わらないよ。ある人が、普通に死んだとしても、彼は生き地獄の毎日を、必死に生き抜いてきたかもしれない。病院のベッドで家族に見守られて死んだとしても・・・もしかしたら、自然に死なせてもらえず、最後まで無理やり栄養を送り込まれたりして・・・意識不明のまま植物になってから、枯死させられているかもしれない。家族や医師から、「おじいちゃんは、立派に最後まで頑張られました。」と賞賛されているかも知れない。周りはとてもよく看病できたと喜んでいるかもしれない・・・。

 また、私がもし、新聞に載るような非業の死を遂げたとしても、その時だけ話題になり、その後忘れ去られたとしても、それがどうした。
 静人に(他人に)命を削るような苦労をかけてまで、悼みに来てほしくない。
 静人、あなたの心の解放と平安を願う。死者は自分のことを覚えていて欲しいなんて思わないよ、忘れられてもいい。自分は、精一杯生きる。身内や周辺の人びと私を愛してくれた人たちは覚えていてくれるかもしれないが・・・

 さらに、静人よ、あなたの歩く道の下には、長い地球の歴史から考えれば、ヒトもそれ以外のあらゆる生き物も骨片となり塵芥となり埋もれているよ。最近殺された人だけじゃない。死体で覆われているのがわが地球ではないか?空気の中にも、火葬場の煙突から煙になったヒトだったものが空気中に拡散し、世界中を漂流しているよ。
 静人よ、今いる位置で祈っていていいよ。もう、体を休めてほしい。誰かが死んだとき、傍らにいた者が、その人に負い目をずっと持ち続けていたら・・・その人は悲しいに違いない。生者を煩わせたいのは、悪霊のみ。

 天童氏は、あまりにも酷い事件が頻発する日本社会の現状に心痛され、また身近な人の死を悼み、静人の物語りを著されたのでしょう。

 私は、今いる位置で祈ります。