ちょス飯の読書日記

幻夜』★★★☆☆

幻夜

幻夜

 阪神淡路大震災を背景に練られた犯罪小説。

 ものすごい悪女が主人公の同士として登場するが、彼女の本名も過去もわからぬまま、あっけなくジ・エンド。『白夜行』も類似作だった。
 『二十世紀少年』『モンスター』も、そう。
 謎を一杯提示して、謎を解かぬまま終わる。
その謎を究明したくて、かっぱえびせんのように「やめられない、とまらない」と読み進むのだ。読者達の「純粋な心」を踏みにじっているのではないか!

 でも、犯罪の手際よさは、娯楽として読み応えがあった。

 『ねじまき鳥クロニクル』★☆☆☆☆

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編

 
ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編

 本田さんという、占い師「予知能力者」。実態の娼婦と意識の娼婦である加納クレタ。妻に逃げられた僕。妻は何故帰ってこないのか。行方不明の猫「ワタヤ ノボル」と人間の綿谷 ノボル。戦時、本田さんの予言「君は死なない」に、励まされ古井戸に落ちて死の恐怖の中、太陽の光の中に「何か」を見た間宮中尉、子ども体型の不登校女子高生笠原メイ・・・・。不思議な面々が、数学の公式のように整合性を持って展開されるドラマ。脈絡がないのかあるのか。隠喩なのか。もっと深いのか。

 しかし、謎は解けない。

 不満だ。一体何を言いたいのか。