ちょス飯の読書日記
『空白の桶狭間』
- 作者: 加藤廣
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/03/27
- メディア: 単行本
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本能寺三部作で読んだ内容の、二番煎じ。
秀吉の出自を、帝につながる「山の民」であるという。大胆な山の民の精鋭部隊による奇襲作戦によって、今川義元の首をやすやすと刎ね取ったという。もしかして、これが真実?
しかし、秀吉のあだ名は「はげねずみ」なのか「さる」なのか?
桶狭間の戦いの報償に、「帝を大切にしてほしい」「さると呼ばないでほしい」「お市様を嫁御にほしい」と秀吉は信長に恐る恐る上申。しかし、ひとつも守られなかった。
いつまでも、「さる」と呼ばれた恨みで本能寺の変時復讐を果たした、という加藤 廣氏の推理には共感する。
それにしても関が原の戦いから既に、400年あまり経過しているのに・・・。
戦国時代の噂話は、ずっと続く。可笑しい。
悪鬼なのか「神」になりたかったのか。気狂いなのか、冷血の信長。
賢くてすばしっこい愛嬌たっぷりの秀吉。しかし、彼も天下人となり独裁者に変わっていく。
作家によっては、大変な人格者として描かれる家康。彼のお蔭で確かに江戸時代は、ほぼ戦争のない平和な時代で300年も続いたのだ。
いろいろな作家の描く、この三人の姿や戦国絵巻をもっと読んでみたい。