ちょス飯の読書日記

 遠藤周作 『砂の城』  ★★★☆☆

砂の城 (新潮文庫)

砂の城 (新潮文庫)

 幼いときに母親を結核で亡くした少女が、父親から16歳になった日に母からの手紙を受け取る。父もずっと読まないで保管しておいてくれたそれには、母の青春時代の淡い初恋の記録が書かれていた。

 母親はいなくとも、勉学に励み幸せに育った娘。大学に進み、そこで知り合った人々と幼馴染の女友達と楽しく過ごしたのだが、・・・。

 女友達は、ヒモのような男と肉体関係を持ち、彼に尽くすことを女として幸せだといって、ヒロインから離れていく。

 また、純朴で好青年だった男友達は、学生運動の闘志となって再びヒロインの前に現れる。

 最後のエピソードには、紙幅が足らない気がした。故にマイナス2。

 「美しいもの、良いもの」を求める心は大切だと死んでいく母は娘に伝えたかったのだった。