自画像、ギリヤーク尼ヶ崎さんの母上、本人の肖像を描く

 小雨のちくもり
 休日の chosu-pampaが映画をひとりで見に行ったので、その間に芸術活動をした。
 本当は、人間活動を第一義として主婦仕事をしなければならないのだが。描きたい思い止まず。

 以前、NHKテレビでギリヤーク尼ヶ崎さん(86歳)の現在を放映していた。初め、彼はパーキンソン病を発症して苦しい姿で震えながら登場したが、弟の介護を受けて、やがて回復して踊りのための訓練を続け、再び路上で皆の前に立ち、念仏じょんがらを踊る。
 踊り終えると、赤褌姿で寝転んで、天に向かい「おかあちゃーーん」とつぶやくのだった。

 投げ銭だけで暮らす、なんという覚悟だろう。好きな踊りを皆に見せて食べていく道を彼は選んだ。しかし、生活するのに充分なお金はもらえるべくもない。求道者として生きるガリガリの彼。このような人が、この日本にいるということに、驚嘆する。

 鬼気迫るその姿を、二度見て、録画してあるテレビ画面からchosu-pampaが彼のアップの場面を撮影してくれたので、これを白黒にコピーして、トレース。大まかに写してから鉛筆でデッサンしていった。
 うねる長髪が、汗にまみれて日差しを反射して光るところは、うまく出せなかったが、彼の母を思う恍惚の表情は、うまく出せたと思う。

 彼の愛しの母上は、穏やかで優しい、聖母マリアのよう女性なのだった。顎の長い、受け口気味のマリア。母にそっくりなギリヤークさん。彼もまた、顎がとがり、受け口なのだった。
 
 自画像は、髪の長いときの写真から、ベレー帽をかぶり胸に手を当てているポーズで。それにしても、正面から鼻の穴があまりにも大きく見えるので、我ながら驚いた。低くて小さい鼻なのに、穴ばかりでかい。一生懸命酸素を取り入れているのだなあ。けなげなり。
 これは、ケータイ(ヤフーモバイルphs)で自撮りしたものをプリントして、やはり拡大コピーして、トレースしてから描いた。
 ケータイは画素数が少ないので、シワが写らないところが気に入っている。
 まあまあの出来で、家人も珍しく「描けているな」と言ってくれた。