ちょス飯の読書日記
『ミラノの風とシニョリ−ナ』 ★☆☆☆☆
- 作者: 坂東真砂子
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1997/04
- メディア: 文庫
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1986年あかね書房より刊行されたものを、加筆訂正したもの
眞砂子様が、奈良女子大学住居学科を卒業してから、就職したくなくてイタリアへ遊学していた頃のエッセイ。
それにしても、住む場所さえ決めずに行き当たりばったり、言葉の通じない街に暮らし始めるとは・・・。大胆でいいかげんな眞砂子様にびっくり。
「インテリアデザイナー、建築家を自分が目指しているのではないことが分かった」、と帰国してから彼女は童話を勉強しだろうか。
正直に好きに生きる、その孤独を楽しんだのだな。
11年後に文庫版に、彼女のあとがきには、自分の若い頃の稚拙な文章や底の浅さに恥じ入っているとあるが、若い、至らないことの素晴らしさも、認めて賛美している。
そうだ、無謀に、何もわからぬまま突き進むことも、また素晴らしいではないか。
イタリア人のおんぼろアパートの家主のけちなばあさんは、したたかで愉快だった。他の人々は、やはり良い人ばかりで、つまらない。
外国から来た言葉のわからない女の子に、優しくしてくれるのは世界共通なのだろう。