ちょス飯の読書日記

 『狗神』 ★★☆☆☆
 

狗神 (角川文庫)

狗神 (角川文庫)

 怪奇伝記小説というジャンルなのだそうだ。平家物語の中の謡も謎解きの鍵となっている。

 これは、習作というか・・・あまりに突飛過ぎる。近親相姦の極まりが描かれるが・・・。神話の世界が現代に蘇ったのか。

 ただし、差別されている狗神付きの一族は、決して周りの人々の不幸を招くものではない。それどころか、平穏に人々の安寧を願って狗神様を怒らせぬよう、手なずけているのに・・・。
 
 村人のあまりの仕打ちに驚いた。

 崖から垂らされたロープに殺到して、昇ろうとする人々が「蜘蛛の糸」にあるようにぷつんと切れて、地面に撃墜していく場面は恐ろしかった。

 生まれて来られなかった死産の赤子が、これほどまでのおどろおどろしい惨劇を招く力があるだろうか。
 腑に落ちない。故に2★評価