ちょス飯の映画評

  『ペコロスの母に会いに行く』 ★★★★☆
 しっかりものの、母が息子の顔も分からないほどぼけてきたら・・・。
 悲しくもおかしい、認知症の母とやもめの息子、孫息子の日常と母の記憶の中の物語。

 天草生まれの母と、幼いころ長崎に引っ越した友のエピソードが悲しかった。被爆後も、赤線で働いていたちいちゃん。

 友からの手紙をずっと待っていたのに・・・

 ある夜、暗い海を何時間も見つめていた母子に、ちいちゃんから「生きぬかんば」と繰り返してかかれた手紙が届く。

 涙があふれた。
 
 長崎の坂にびっしり並んだ家々が悲しく、美しかった。

 作者の歌が、挿入されていて長崎弁の歌詞が面白かった。

 認知症のもっと悲惨な面も、もう少しあっても良かった。介護職員や家族は皆幸せすぎる。

 自主制作で、たくさんの人からの寄付で制作した映画だそうだが、提供企業の名前が画面にばっちり写っているのは、いただけない。