ちょス飯の読書日記

 『かたちだけの愛』★★☆☆☆
 

かたちだけの愛

かたちだけの愛

 平野 啓一郎氏の恋愛論なのだろうか。
 淫乱女だと後ろ指を指される、美貌の女優が交通事故で片足を切断する。彼女の義足のデザインを頼まれた、工業デザイナーと恋に落ちる。

 誰かを愛する自分を、愛することで主人公・デザイナーは、身持ちが悪く子どもの頃に自分を捨てて家を出た母を許す。

 男性遍歴があり、ヤクザまがいのプロデューサーの愛人でもあった美しいヒロインも、彼によって救われていく。

 彼女が、失意の底からゆっくりと立ち上がり、リハビリに耐えて、遂に義足でファッションモデルとなり、颯爽と歩く場面は、素敵だったので2☆。
 
 何か、思わぬどんでん返しがあるのでは、と心配しながら読んだ。
 不安を覚えさせ、回りくどく、説教臭い書き方だと思う。