ちょス飯の読書日記

 『本当は怖くて悲しい昔話』 ★★★★☆

怖くて悲しい日本昔ばなし

怖くて悲しい日本昔ばなし

 昔話は、こどものためにソフトに書き換えられていたのだな。確かに、桃の中や竹の中から子どもは生まれない。
 性欲、食欲、物欲、名誉、・・・
 昔の人々にも、すさまじい様々な欲望はあったのだろう。
 登場する鬼や、天女、高貴な人と貧しい老婦父、嫁の持てない貧しい青年が、欲に突き動かされる姿は哀れでもあり、現在のどの人にも備わっている衝動だ。
 誰が、こんなにも面白おかしい物語を作り、語ったのだろうか。そして、いつまでも語り継がれて来たのだろうか。

 これは筆者の想像、解釈するもうひとつの昔話。
 多くの資料から導かれたのかもしれないが、・・・。かぐや姫が、敵対する側からのスパイだったとか、桃太郎が強いのは、鬼の子だったからだとか、浦島太郎は女だけの島で、薬物中毒にされて精を搾り取られていたとか・・・
 怖いけれど、面白かった。本当にそうなのかもしれない。つじつまが合いすぎて、こわいーー。