「老けたね--」

とは、ぎくう。
 会いたくないと思っていた、どすぐろい声の「ぐりちゃん」が待ち合わせ場所にやってきて、髪型を決めたつもりのchosu-manmaに声を掛けた。
 「やっち」と、「ちろ」ちゃんとの3人で「テスト対策」を話し合おうと約束していたのに、やっちとちろそれぞれの計らいでぐりとかわちゃんも加わり、結局5人の学友が集まって、イタリアンレストランで近況をおしゃべりした。
 ぐりっぺは、またしても夫婦で海外旅行に行って来たと自慢、大量の写真を見せてくれたが・・・仕切り家のchosu-manmaは、「どうだ」と最近の自慢ネタを話し、皆を驚かせた後は聞き役に回り、あまり話さないかわちゃんに、話かけた。
 
 ぐりっぺが、chosu-manmaに、「老学友A子が認知症で、前より進行している」と言った。彼女の素人判断だから、認知症とまでは断定できないと思う。だが、言われてみると確かに、同じことばかり言ったり、前言と矛盾したことをよく話していたが・・・この頃電話番号を忘れてしまたから、かけてこないのかな・・・一気に心配になってきた。
 息子に、お節介といわれても構わぬから「会いに来い、母の世話をせよ」と手紙を書いて出そうか。
 やはり、明日出そう。「ご病気かもしれませんので、お知らせします」、と葉書を書いた。憎まれたり恨まれても結構。まず、身内が彼女の孤独と悲しみを慰めるべきだ。もし、認知症を発症しているとしたら、早期診断、対処が肝心だ!!!
 娘家族も近所にいるのに。75年も生きてきたのに。二年前に知り合った人しかあなたを、心配してくれないのだろうか。お気の毒なA子よ。